第1滑走・『Road to………』

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「全日本のショートはちゃんとノーミスします」 「……そういう意味じゃなくてさ…まぁいいか。舞愛ちゃん達、まだ若いんだしね」 「あ、わかる気します!ロックスターやハリウッドスターでも作品以上に強烈な人っているよ。 フレディー・マーキュリーとか、リバー・フェニックス……」 榊原君が唐突にコメントした。 「私、早死にする予定もないから」 舞愛は抗議した。 「そういう話じゃなくてさ、スケーターでもマドンナみたいな人もいれば、エイミー・ワインハウスみたいな人もいるってことでしょう」 朱音が付け足す。 「マドンナは別として、スケーターはもっと長生きしてると思うけど……」 「いや、でも議論としては面白いよ? 綺麗に伝説になるか、沈んでは何度も蘇るか、結果とは別な所で自分自身の限界と闘ってもがくか。 どれも結果論たから本人には選べない。 ショーンなら喜んで食いつきそうな話だよね」 怜が楽しそうに笑った。 (ショーン、今、どうしてるかな……) と、ちらっと思いながら。 この中にスケートに詳しいのは二人だけ、というメンツなのにみんなよく話題につきあってくれてるな、と舞愛は思う。 皆、「表現するのが好き」という共通項があるからだろうか。
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