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「自画自賛、になっちゃうけどさ。
連盟の関係者内ではフリーの評価が高かったみたいだよ」
「そ、そうなんですか」
「僕としては演技構成点はもう少しもらえてもいいと思うんだけど……。
選曲の時点で評価が分かれるのはなんとなく予想してたし、滑り込んでいけば審査員の印象も絶対よくなるよ」
「え…、そういうもんなんですか…」
「でも、そうですよね!私たち、詳しいこと何もわからないけど、舞愛の演技観て泣きそうになったもん!」
「……………」
試合中、プレッシャーと闘っているのはもちろん選手自身だが、かといって選手独りだけ、というわけではない。
怜もまたつかの間の開放感に饒舌だった。
……が、舞愛の頭の中には全く別な疑問がふと浮かんでいた。
「怜さんは……引退すごく早かったですよね。日本代表としては史上最高レベルのペア、って言われてたのにどうして……」
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