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……思い出した。
フリー演技前の公式練習の時。
ショーンが舞愛に跳ぶよう指示した、女子選手としては事実上、最高難度の三回転‐三回転のコンビネーションジャンプ。
舞愛のジュニア時代……体型や環境の変化についていけなくなる前は、二種類の四回転ジャンプとともにこのコンビネーションをよく跳んでいた。
しかし、「ブランク明けの復帰戦にいきなりトップギアまでは持っていけないし、する必要もないから」というショーンと怜の(珍しく一致した)意見でフリーの構成からは外していた。
本番前にいきなりプログラムの中で跳べ、と言われても無理……というか他の要素に悪影響が出る。
読者が楽器演奏や舞踊の経験者なら、練習でなら弾ける、あるいは踊れる難パートが曲全体を通した時に成功率が下がるようなもの、と説明すれば納得いただけるだろうか。
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