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「陛下。即位の義、立派に執り行われたとか。おめでとうございます。また、妃の称号を賜りましたこと、感謝申し上げます。」
礼儀正しい挨拶を受ける。
「桜妃。ようやく皇位を掴んだ。そなたの支えがあればこそ。これからも頼むぞ。」
「はい。」
いつもと同じ微笑みを浮かべてはいるが、何か考えがある様子の桜妃。
「どうかしたか。」
「陛下、、、。」
「皇后の話であればよせ。」
「しかし、皇后様は陛下の為に祝いの膳をご用意されているはず。」
「桜妃。」
そのような話をお前から聞きたくはない。
「公式の義の後は、皇后様にご挨拶なさるべきでは。
皇后様は誠に陛下の事を想っていらっしゃるのですよ。お兄様。」
「よせ。お前は今は私の妃だ。」
桜妃がここまではっきりと言うとは。
「元は彰ーショウー様の皇女。本来仏門に入るべき我が身を哀れんだ陛下がお側におき救って下さっただけ。」
「桜妃。それは違う。」
「陛下を大切に想っております。
しかしそれは兄妹の情のようなもの。
陛下もおわかりのはず。
どうか、陛下の本来1番大切にするべきお方を、私の為に蔑ろにするのはおやめ下さい。」
「やめろ。」
「陛下、、、。」
やめろ、桜妃。
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