39人が本棚に入れています
本棚に追加
深夜、そっと床を抜ける。
陛下は、、、お兄様は私を愛してなどいない。
幼くして母を失った私を唯一の理解者として、その見返りを与えているだけ。
私を愛していると思いたいだけ。
可哀想なお兄様は人を愛する事が出来ない。
窓越しに空に祈る。
彰様、、、貴方様の願い通り、妾は生きて後宮にとどまりました。
ついに、お兄様が新帝となられ、敵は幽閉されました。
少しはお恨みが晴れたでしょうか。
あの日、、、どのようなお気持ちでおられたのでしょうか。
お兄様は貴方と正々堂々と闘うおつもりでした。
中宮様の動きに気づいた時には、既に刺客が放たれた後だったのです。
「、、、っ。陛下、、、。」
急なめまいに襲われる。
「、、、桜妃。どうした。桜妃。」
内官がかけつける。
「陛下、いかがなされました。」
「内医をここへ。」
「は。」
「しっかりするんだ。」
「彰、、、様。」
「桜妃。桜妃。」
最初のコメントを投稿しよう!