01.*契約*

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自転車に乗って、風をきって走る。 まだ、新学期が始まってまもない今は風も涼しい。 今日は、先輩に会えるだろうか。 今日は、先輩を見ることができるだろうか。 口聞けるかな。 声が聞きたい。 そんなことばかり考える。 そんな風にして、学校が楽しみになる。 いいようのない高揚感があたしを襲うこの瞬間がすき。 どうしてか分からないけれど、この高鳴りが心地いい。 緑の木々が揺れる遊歩道。 レンガのようなデザインの道の上に散らばる影も一緒に踊る。 ふわ、と軽く浮き上がるような錯覚を覚えて、あたしは自転車を滑らせた。
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