2489人が本棚に入れています
本棚に追加
自転車に乗って、風をきって走る。
まだ、新学期が始まってまもない今は風も涼しい。
今日は、先輩に会えるだろうか。
今日は、先輩を見ることができるだろうか。
口聞けるかな。
声が聞きたい。
そんなことばかり考える。
そんな風にして、学校が楽しみになる。
いいようのない高揚感があたしを襲うこの瞬間がすき。
どうしてか分からないけれど、この高鳴りが心地いい。
緑の木々が揺れる遊歩道。
レンガのようなデザインの道の上に散らばる影も一緒に踊る。
ふわ、と軽く浮き上がるような錯覚を覚えて、あたしは自転車を滑らせた。
最初のコメントを投稿しよう!