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「朝は輝きがあるのよ、カイ君に」
「ハハ、輝きって」
あくまで冗談に扱って笑うと、いっちゃんは真剣な顔をして、あたしに近づいた。
「風花は見慣れてるから、そんな笑えるの!」
「え、えー…?」
「ほんとよ!
なんか眠そうなとこが色っぽいの」
「……いっちゃん…。
なんか、変態みたい……」
「男の色気にやられない、あんたが異常なのっ」
ビシッ、とあたしを指差していっちゃんがいたって真面目な顔で言う。
あたしはそれにハハ、と渇いた笑みを残して、自分の靴箱に向かった。
カタン、と靴箱につく扉を開けると上履きの上に手紙がある。
その封筒を裏返して見ると
『4組、平野』
と書いてあった。
「うあ、風花またぁ?」
あたしの背後からひょこっと顔を出したいっちゃんに小さく笑って頷く。
いっちゃんは
「風花はモテるね」
と軽く笑って流してくれた。
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