08.*告白*

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……これ、嫉妬だ。絶対。 言ってから自分がすごく子供じみたコトを言っていることに気づいた。 こんなこと言ったって何にもならないのに。 飯島くんのことを考えて、あたしが言った言葉は所詮は杏奈先輩には敵わない。 杏奈先輩には甘えても、あたしには甘えてはくれない。 好きな人と他人じゃ違うのは当たり前。 分かってる。 分かってる、けど。 あたしの理性の壁まで壊してあたしの背中を押す嫉妬が来るとこまで来てしまっていて。 強く、強く突き動かされる。 「……なんで、ここに杏奈が出てくるの?」 至って冷静な飯島くんは、呆れたような目であたしを見ていた。 その冷酷な視線にまた、じわっと涙が滲む。 「……い、飯島くんが好きな人、だから」 「………は?」 「負けたく、ないから……っ」 ぎゅっ、と思いきり服の袖を力一杯握り締めた。
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