08.*告白*

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オレンジの飴玉。 懐かしい。 話したばかりの頃は、朝比奈さんに餌付けするかのようにこんなものをあげていた。 いつのまに、こんなに変わっていったんだろう。 「……海。 何ボーッとしてんだよ」 「や、あんたにソレ似合わないなと思って」 「あー? 久々にやるか、コラ。 表出ろ!」 ガシッと俺のベッドに乗り込んできて、空がこめかみの辺りをグリグリと拳で擦る。 「ってーな、 ちょ、あんた馬鹿力なんだから手加減してくんない?」 「やなこった」 「っ……、いたたっ マジで痛い」 「そーかよ。 オマエとさっきいた焼そばの女の子はもっと痛かっただろーな」 「………は?」 焼そば? 全っ然、関係ないワードが出てきて首を傾げる。 一瞬拳の力が弱まったところを見計らって身体を捻り、奴の体から抜け出すと空は思ったより険しい顔で俺を見ていた。
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