09.*偽悪*

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「……告白、おめでとう」 「どーも」 ちょっと皮肉混じりの愛咲ちゃん。 それに皮肉で飯島くんは返して、ゆっくりとあたしに視線を動かした。 「どうしたの? 朝比奈さん。 鼻、赤くなってる」 「えっ…! あ、いやっ……、これはっ!」 そうだ! あたし、顔ぶつけたんだった! ボーッとしてたけど、もしやとんでもないことになってるんじゃ、と思って顔を手で隠す。 ……いや、今さらなんだけど。 「……風花ちゃんは、ボールを顔面で受けちゃったから、ここ来たの。 てか、あんた何でここにいんの?」 愛咲ちゃんが、手を腰におきながら、呆れたように言うと、飯島くんは置いてある長椅子に寝転がって、 「昼寝に来たの」 と、体を伸ばした。
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