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「……まぁ、そんな予感はしてたけど。
さっきから、あんた全然動かないから」
「………」
返す言葉もない。
こういうとこ気が回るというか、頼りになるというか……、
あたしが情けないというか。
飯島くんは、手早く氷を入れたビニール袋に少量の水を入れて、入り口を縛った。
キュッ、と蛇口を閉める音が響く。
飯島くんはそのままツカツカとあたしのもとに歩いて来て、
「……冷たっ!」
容赦なくあたしの鼻の頭に氷水を乗せた。
「ほら、我慢して。
ちゃんと冷やすの。
今日、2回目だって分かってる?」
「わ、分かってます…、けど……!
冷たっ……!」
「動くなってば。
世話がやけるね、ホントに」
あたしの顎を掴んで少し上を向けさせたまま、飯島くんが顔を氷で冷やす。
冷たかったけど、ちょっと助かった。
熱くなる頬が、バレなくて済むから。
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