09.*偽悪*

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「……随分、過保護だね」 あたしたちの様子を黙ってじっと見ていた愛咲ちゃん。 彼女が口を開いたことによって、飯島くんがあたしに氷水を押し付けた。 そして体の向きを変えて、愛咲ちゃんを見る。 「怪我人だから、当たり前でしょ。 なに? 嫉妬?」 飯島くんも、いつもの口調より3割増しでトゲが増加している。 最後あたりが。 きっと愛咲ちゃんは怒るだろうな、と予想してたのに、意外にも愛咲ちゃんは反論しなかった。 「……そうかもね。 嫉妬かも」 「………は?」 飯島くんが、思いきり顔を歪めて怪訝そうに愛咲ちゃんを見る。 それを見た愛咲ちゃんは、むっとした顔をして、 「何よ」 と少し顔をしかめた。
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