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「……あたしのコレ。
好きってことになるのかな?」
「さぁね。
その本人にそれを聞いちゃうくらいだから、ブッ飛びすぎてて予測不能」
深く悩む愛咲ちゃんとは対照的な飯島くんの冷めた声。
そんな飯島くんと愛咲ちゃんのやりとりをぼんやりと見つめながら、ひどく疎外感を感じた。
ポンポンと飛び交う会話。
あたしにだけ、二人とも優しいのが、一人だけ蚊帳(かや)の外に置かれたような気分だった。
さっきまでどこか余裕な面持ちでみていたくせに、自分の危機になると、こんなことを思うなんて都合が良すぎるけれど。
「あたしが好きになったら、カイはあたしをフるの?」
ちょっと曇った表情をして、愛咲ちゃんが飯島くんに問う。
飯島くんはその目を受け止めた後、若干視線を校庭に逸らして
「……まぁ、付き合うことに関しては、ね」
と曖昧に呟いた。
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