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「………え？」
ポカン、とした顔であたしを見る愛咲ちゃん。
それに自分が思ってたよりもずっとシリアスな表情をしていることに気づいて、慌てて作り笑いをして見せた。
「あ、ハハ、……あの、あたし、実はもうフラれてて……」
「えぇっ！うっそ！」
「ほ、ほんと、ほんとー。
だから、あり得ないよー」
顔の前でぶんぶんと手を振りながら、必死の笑み。
なんかもう自虐的な発言だな、と思いながらも、何となく会話は止めたくなかった。
飯島くんが口を開いて発する言葉が、あたしの発言に肯定的なものであることが怖くて。
ハハハ、という渇いた笑いで何とか場をもたせていると、ふとそれを裂くように飯島くんの声が耳に響いた。
「朝比奈さん」
「………は、はいっ」
恐れていた声が、聞こえて思わず背中がピンッと伸びる。
飯島くんはその反応に目をしばたかせて、そののち、ふっと笑うと
「……ごめん。
何でもない」
細めた優しい目であたしを見た。
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