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「……え?」
ふざけてた、愛咲ちゃんの口調がその冗談交じりの色をなくす。
呆然としたような声。
だけど飯島くんはそれに続けてハッキリと言った。
「俺は、例え一生その子と結ばれなくても、彼女以外は好きにならない」
「………」
「十代にして早すぎる決断?
でもね、彼女以外に落ちる気がしないんだよ、とても」
へぇ、と愛咲ちゃんは相づちを打ったけど、その声は震えていた。
そしてハハ…、と乾いた笑みだけ零して、愛咲ちゃんは震えた声のまま続けた。
「じゃ、じゃあ…さ。
あたしが、カイとの婚約を解消しなかったら……?」
「……」
ドクンッ、と愛咲ちゃんの言葉に心臓が大きく鳴った。
目の前の視界が真っ暗になる。
『カイとの婚約』……?
それって…、何。
どういう……。
「変わらないよ」
飯島くんがハッキリと言い切る声が、真っ暗になる頭の中で確かに一瞬輝いた。
「いつか未来。
俺がどんなヒトと結婚しても、彼女が誰を見ていても。
彼女が俺の存在を忘れる日が来ても。
俺の心は彼女以外、誰にも奪えない」
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