2489人が本棚に入れています
本棚に追加
基本的に、毎朝乗る電車は決まっている。
何時出発、何車両目。
彼とあたしはどちらもピタリ、と合っていて否応なしに同じだった。
『ドアが閉まります』
軽快な音楽に合わせて閉まるドア。
その横にある背凭れに背中を預けて、朝日を浴びる茶髪の髪。
耳についた銀色のシンプルなピアスが揺れた。
同じ校章。 同じ学年章。
同じクラス。
だけど決定的に違うのは目立ち度合い。
あたしが一般人なら、彼は学校の白馬の王子様だ。
誰もの目を引く端麗な顔立ち。
顔色ひとつ変えずに要領よくこなすクールな性格。
謎めく瞳。
騒がれるのは当然な全てが揃う。
完璧な王子。
最初のコメントを投稿しよう!