01.*契約*

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基本的に、毎朝乗る電車は決まっている。 何時出発、何車両目。 彼とあたしはどちらもピタリ、と合っていて否応なしに同じだった。 『ドアが閉まります』 軽快な音楽に合わせて閉まるドア。 その横にある背凭れに背中を預けて、朝日を浴びる茶髪の髪。 耳についた銀色のシンプルなピアスが揺れた。 同じ校章。 同じ学年章。 同じクラス。 だけど決定的に違うのは目立ち度合い。 あたしが一般人なら、彼は学校の白馬の王子様だ。 誰もの目を引く端麗な顔立ち。 顔色ひとつ変えずに要領よくこなすクールな性格。 謎めく瞳。 騒がれるのは当然な全てが揃う。 完璧な王子。
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