11.*本音*

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「……声、聞かせて下さい」 「…俺の?」 「……っ、はい…。 あ、あたしのこと…っ、呼んで下さいっ…」 一歩一歩詰めた距離は、いつのまにかだいぶ近くなっていた。 飯島くんの座っている跳び箱は、もう、すぐ目の前だ。 「……風花」 「……えっ?」 もう一歩進めようとしていた足が止まる。 それにふっ、と飯島くんは微笑を浮かべてあたしを見た。 「…って、呼んでたんだよね。 俺、一年の時」 「……えっ…?」 「ほら、岳がそう呼んでたから。 俺、朝比奈さんとの会話、携帯だけだったしね」 「……あ」 そっ…か。 そうか。 あの時の会話はずっと飯島くんだったんだもんな。 そう思うとなんだか変な感じがした。
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