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「…じゃあ、今は退化してるんですね」
「……退化って」
ぶふっ、と手の甲で自分の口元を押さえて飯島くんが笑う。
その笑顔をじっと見つめてると、飯島くんがふと笑みを引っ込めた。
そして真剣味を帯びた瞳であたしを見る。
「……ねぇ、風花」
「…っ、は、はいっ…」
「もうちょっと、こっちおいでよ」
「えっ…?」
「さっきから足、進んでないよ。
俺を焦らしてるの?」
「じっ……!?」
予期せぬ言葉が飯島くんの口から放たれて勢いよく首を振る。
それと一緒に同じくらいのスピードで頬が一気に熱を持った。
それを見た飯島くんはふわっと微笑んで。
「じゃあ、早く。
おいでよ。 風花」
ストン、と跳び箱から飛び降りた。
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