11.*本音*

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「…えっ、えと、あの…! あ、あたし、飯島くんに触れたくて…っ! でも、言うの、ずっと我慢してて。 だ、だから、感覚的に同じなんじゃないかと…。」 「……」 勇気を出して言ったのに、飯島くんから返ってきたのは沈黙だった。 やっぱあたしの勘違いかな、と思ってそーっと飯島くんを見上げる。 すると、飯島くんは跳び箱の上で胡座をかきその膝の上に肘をのせて、その手で自分の口を塞ぐように覆っていた。 そっぽを向いて、眉を思い切りしかめている。 目元のあたりがちょっとだけ、赤い気がした。 「……い、飯島、くん……?」 「……なに」 いつもより5割増しで不機嫌そうな声。 視線はこちらを向いてはくれない。 もしや…、と思って飯島くんに2散歩歩み寄った。 そして、そっと飯島くんを覗き込む。 ……やっぱり、頬が赤い。 「…あ、の…。 照れてます……?」 「……ほっといて」 「えっ、でも、なんかかわい…」 「黙って」 あたしが言葉を言い終える前に、飯島くんがあいている右手であたしの口を思い切り塞ぐ。 ちょっと睨まれたから、それ以上言うのはやめておいた。
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