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『大人になる』
そういうことに段階を踏むのはきっと理由があると思う。
子供の時の世界にも、やっぱり嫌なところはたくさんあるし、我慢しなくてはいけないこともある。
それを成長するだに少しずつ学んでいく。
そして、少しずつ直球的な悪ではなくて、醜さの増した悪に少しずつ触れて、嫌悪感を感じながらも、そこで少しずつ慣れていく。
そういうのがきっと一般的な、良い意味か悪い意味かは置いておいたとしても『成長』と呼ぶものの一つだ。
だけど俺は違かった。
俺は誰が見ても分かるような悪なんてものはすっ飛ばして、いきなり気持ち悪いほど醜く見える『大人の悪』の場所へ手を伸ばしてしまった。
最初は嫌悪感の塊だった。
『大人』という存在そのものが嫌だと思うほどだった。
そしてその仲間にいつか入ることになる自分が嫌いだった。
今もどこかそういうところがある。
キライだ。
自分のことは好きじゃない。
やっていることの醜悪さも分かっているからなおさら。
自分で自分に嫌悪感を持っている。
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