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「飯島くん……、鞄とか持たないんですか?」
「え?……あぁ。
だって必要性感じないでしょ?」
「えぇっ!
鞄無くちゃ、あたし外歩けないです!」
自分とのあまりのギャップにビックリして思わず声が大きくなった。
飯島くんは、逆にあたしの反応にビックリしたらしい。
「……マジで?
そんな必要なものある?」
「ありますよ!
ていうか無くても鞄にいれます」
「へー。
そーゆーもんなんだ。
あ、でも女ってそういう子多いかもね」
飯島くんは、周りを見回してそう言った。
確かに周りを歩いている女の子たちは、皆鞄を持ち歩いている。
「……男ってそういうのめんどくさがる奴多いのかな。
俺はしないや。
岳が鞄持ってるとこも見たことないし」
「へー…、そうなんだ…」
新知識に納得していると、急激に飯島くんは男の子なんだと実感した。
分かってはいたけど、それでもナゼか妙に意識してしまってふと視線をそらす。
それなのに、そういう差を共有できる今の関係が嬉しくて、そして妙に気恥ずかしかった。
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