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18才になるのは危険だ。
少なくても俺の場合は。
18才になってしまったら、結婚できる年になってしまう。
法律が俺の結婚を邪魔してくれなくなる。
そして親父がそのチャンスをみすみす逃がすはずがない。
「……どうするか」
近くにあった椅子に座って、この状況から脱出する術を考えた。
窓から、教会の鐘が見える。
それが、俺に今から起きるであろう欲しくもないサプライズを確信させた。
タイムリミットは風花とデートを約束した時間。
それまで、あと二時間。
今この風花が精神的に不安定な状況で、これ以上風花に心配をかけたくないから、それは絶対必須事項だ。
ただ、ここで抜け出せば俺が帰る家はなくなる。
―――駆け引き、だ。
きっと親父が俺に挑んできた最後の。
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