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『風花ちゃん!ちょっと外に来て!』
それは、飯島くんとデートの約束をしている時間から2時間前に起きた。
服装をチェックしてそわそわしてるあたしに突如かかってきたのは、杏奈先輩からの電話。
「え…、外ってあの…。
もしかして、家の前にいるんですか…?」
『もちろんよ!
迎えにきたの、風花ちゃんを!』
「え、あの…。
あたし今日はちょっと……」
『海が緊急事態なのよ!』
何が何なのかさっぱり分からないまま杏奈先輩の電話を聞く。
杏奈先輩は前科がある。
あたしを突如パーティーに連れて行った前科が。
それがあたしを杏奈先輩の元に行くことを躊躇わせていた。
「え、あの…緊急事態とは…」
『海が結婚しちゃうのよ!』
「……はい?」
あまりにぶっ飛んだ内容に正直現実味が湧かなくて首を傾げた。
杏奈先輩はあたしの反応にイライラしているらしい。
あぁ、もう!と叫んで、ガツンと何かを蹴ったような音がした。
そしてその背後でププーと車からの苦情の音がする。
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