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『リアクションいいなー。
俺気に入ったー。
将来、風花ちゃんのお兄さんになる予定だからよろしくねー』
「えっ……」
その言葉でハッと現実に戻される。
……そうだ。今、こんな会話をしてる場合じゃなかった。
飯島くんが結婚しちゃうかも知れない、危機だった。
『あれ?
風花ちゃん、急に黙っちゃったけどどうしたー?』
「あんたが余計なことを言うからよ。
風花ちゃん?心配しなくて良いからね」
「は、はい……」
杏奈先輩がポンポンとあたしの頭を撫でる。
それにコクリと頷くと、電話口で『そうだった、そうだった』と呑気な空さんの声が聞こえてきた。
『俺、これ言いに電話したんだった。
海の捕獲成功したぞー』
それを聞いた瞬間パァッと杏奈先輩の表情が明るくなる。
「えっ。ホント!?
向こうも納得してくれた!?」
『いやー?分からねぇ。
無理矢理捕まえて来ちゃったから』
「はっ!?なんで!?
ちゃんと説明しなくちゃ海誤解するじゃないの!」
『いやー、しようと思ったんだけどアイツ頭に血昇ってて一触即発の状態だったんだよ。
「教会に戻るぞ」とか言い出したら、あっというまに俺殴って逃げそうな勢いだったし、そんな余裕なかった』
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