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ガタン…ガタン…
電車が動き出す。
あたしはゆっくりと彼から視線をそらした。
別に、話したことがある訳じゃない。
2年間クラスが同じという腐れ縁で繋がっているだけ。
きっと彼は、あたしの存在は気にも止めてない。
あたしだってよく知らない。
毎朝見ているけど分からない。
知っている、といえば、毎朝ブレザーの内ポケットから取り出すものがスマホではなくガラケーだということ。
毎朝、それを見ているということ。
それから、学校ではいつも昼休みにいないこと。
授業中よく寝ること。
あと、名前が飯島海(いいじま うみ)ということ。
先輩の弟だということ。
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