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―――飯島くんは、ずるい人だ。
キス一つでこんなにあたしをドキドキさせる。
猫みたいにコロコロ感情変化して、気まぐれなくせに、ひょいっと感情がこっちを向いたら、なついてくる。
どうしよう。
飯島くんが肩に触れているという現実がすごく熱い。
恥ずかしいとか、苦しいとかを越えて、じりじりと熱く感じる。
胸の中を浸透する何かが、あたしを焦がす。
『………好き』
なんて、そんなの反側。
もう二度とその言葉が貰えなくても、それだけで生きていける気がした。
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