14*避行*

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「うわーっ、うわーっ、うわーーっっ!!」 灯台に登った瞬間、あたしは思わず感嘆の声を漏らした。 上から見える景色は、一面の海。 青色に輝く海が日光を反射してキラキラと光っている。 その上には何羽ものカモメが飛び交っていた。 「飯島くんっ、すごいですよっ!」 柵から身を乗り出しながら、海の方向を指出すと飯島くんは苦笑してあたしの方へ歩いてくる。 その際に「戻ってるし」と小さな呟きが一瞬聞こえた。 「ホントだ。 やっぱ上から見るのは違うね」 「はいっ、すごい感動ですよ、これっ! 写真で見るのとは全然違うっ」 あたしはそう興奮しながらも、やっぱりこの景色をカメラにおさめたくて携帯を取り出す。 すると飯島くんもそのポケットから、携帯を取り出した。 スマートフォンじゃない、ガラケーの方。 「えっ、スマホで写真撮らないんですか?」 「うん。 スマホは電源切ってる。 じゃないとGPSで探られるから。 それにこっちは、風花専用だしね」 そう言って飯島くんは携帯のカメラをあたしに向けてパシャッと一枚写真を撮った。
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