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どうしたらいいんだろう。
こんなに人を好きになったらどうすればいいんだろう。
むせかえるほどの気持ちの処理が上手く行かない。
好きだって、いくら叫んでも気持ちがなくなってくれない。
もういっそ、嫌いになれればいい。
こんな不安定なら、嫌いになれればいい。
そうしたら苦労なんかしなくてすむ。
分かっている、分かっている、分かっている、分かっている。
でも、ダメだ。どうしてもダメだ。
好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き。
「―――風花?」
グラッと一気に身体が重くなった。
飯島くんを抱きしめる腕の力がいっぺんに抜ける。
「ちょっ、熱っ!
風花っ」
嫌だ、こんな時に嫌だ。
飯島くんの声を聞きながら、重い身体を飯島くんに預けた。
グワングワンと思考回路が回らなくなる。
頭が痛い。クラクラする。
「―――風花っ」
飯島くんの声が少し遠くに聞こえた。
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