15.*空虚*

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風花が目を覚ましたとき、その身体は汗だくだった。 それが気持ち悪くて起き上がってみると、身体の熱は前よりずっとよくなっていて、なんとか立ち上がれた。 「……水」 喉が渇いて、机の上に用意されていた水に手を伸ばす。 それを一気に飲み干して、喉を潤してコップを元に戻す。 ボーッとした頭を奮い立たせるように、頭を振って、汗ばんで気持ち悪い身体を近くにあったタオルで拭いたとき、ふと思い出した。 「―――飯島くん?」 名前を呼んでみる。 でも、しんとしたそのホテルの部屋からは何も声は帰ってこなかった。 『シングル二部屋』 海が受付で言っていた声が思い出される。 頭がボーッとしていて、そんなことに意識を回している余裕があの時はなかったけれど、もしかして海は海の部屋に戻ったんじゃないだろうか。 「……なんだ」 ホッとして、身体をまた再びベッドに預ける。 ベッドからはホテル独特の匂いがして、なんとなく寂しい気持ちにさせた。 「………」 寝返りを打って、色々と用意された机をぼんやり眺める。 ふと、そこにメモがあるのを見つけて慌てて飛び起きた。
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