16.*幸福*

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「にしても、風花ちゃん健気だよなー。 よくこんな男、好きでいられるよ」 「俺、空よりはモテるつもりだけど。」 空の嫌味に反応してそう告げると、岳がそれに同意するように「確かにな」と頷いた。 杏奈がそれを見てクスリと笑う。 「はっ、岳なんかオマエ、杏奈以外にモテてねぇじゃん」 「はぁ?何言ってんだオマエ。 俺は女とっかえひっかえしてるけど」 「自慢にならねぇよ 海は、風花ちゃん以外見えてねぇしな」 「しょーがないじゃん。 それ以外の女可愛く見えない」 「………」 俺の言葉に、残り三人が押し黙る。 じろじろと不審者を見るような目で俺を見てきたから顔を顰めた。 「なに。 その異質な物を見る目は」 「いや……。 オマエよく恥ずかしくねぇな、そういうこと言うの」 「いや、本心だし」 「うわ、かゆいっ! 海がすんげぇ、甘くて気持ち悪いっ」 「はぁっ!?」 空が全身をかきむしるマネをするから、いらついてベッドから飛び降りて、後ろから首を絞める。 ギブギブと、俺の腕の中で空がうめいた。
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