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「………っ!
せ、性格、悪いっ」
「なんとでも。
あ、電車来た。乗るよ」
飯島くんがあたしの腕を引いて、小さな箱の中の乗り込む。
そして、昔一緒に登校していた時みたいに、あたしを椅子に座らせて自分はその横に立っていた。
「……」
「………」
落ちる沈黙。
前はこれが気まずくてどうしようもなかったのを覚えている。
なんでだろう、今は懐かしくて心地よい。
「……あ、そうだ。
今日、英単語のテストじゃなかったっけ?」
「え?……あぁっ!!
そうだった!予定表に書いてあった!」
「風花ちゃんと勉強してあるの?」
「してないっ、してないです!」
「じゃー、しないとね。頑張って」
「飯島くんしてあるんですか!?」
「俺、英語得意だから必要ない」
「えぇええっ、ずるいっ」
あたしは鞄をあさって、英単語帳を取り出す。
飯島くんはその横からあたしの英単語帳を覗き見た。
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