16.*幸福*

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「………っ! せ、性格、悪いっ」 「なんとでも。 あ、電車来た。乗るよ」 飯島くんがあたしの腕を引いて、小さな箱の中の乗り込む。 そして、昔一緒に登校していた時みたいに、あたしを椅子に座らせて自分はその横に立っていた。 「……」 「………」 落ちる沈黙。 前はこれが気まずくてどうしようもなかったのを覚えている。 なんでだろう、今は懐かしくて心地よい。 「……あ、そうだ。 今日、英単語のテストじゃなかったっけ?」 「え?……あぁっ!! そうだった!予定表に書いてあった!」 「風花ちゃんと勉強してあるの?」 「してないっ、してないです!」 「じゃー、しないとね。頑張って」 「飯島くんしてあるんですか!?」 「俺、英語得意だから必要ない」 「えぇええっ、ずるいっ」 あたしは鞄をあさって、英単語帳を取り出す。 飯島くんはその横からあたしの英単語帳を覗き見た。
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