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本当は口をきく気もなかった、高校1年。
そして神様がくれた些細なきっかけにまんまと便乗した、高校2年。
そして、もう耐えられなくなった、高校三年。
人ってこうやってどんどん欲張りになっていくのだろうか。
「こっんばっんはーっ!
よぉ、元気にしてっか-?!海」
「不法侵入だから、出てってくれないかな」
月曜、夜10時。
ベッドに寝転がりながら単語帳を開いていると、ふいにノックもなしにドアが開いた。
そこから顔を覗かせたのは、うちから勘当されているはずの空。
テンションの高さが正直半端なくうざい。
「うーわ、目ぇ冷てぇ」
「え、どれどれ」
そう言って空の横から顔を覗かせたのは、美人な顔に満面の笑みを浮かばせた杏奈。
その後ろにものすごく嫌そうな顔の岳がいる。
「なにこれ。
なんで全員集合してるわけ」
「いやいや、月曜日の夜は集合っていうのがお決まりでしょう」
「普通金曜日でしょ。
しかも、なにちゃんとビールまで持ってきてるの」
「いいじゃねーか、堅いこと言うなよ」
ハハハ、と笑いながら身勝手にヅカヅカ入ってくる三人。
岳だって断ればいいのに、首の後ろを掻いてめんどくさそうにしながらもちゃんと参加している。
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