番外編01

8/11

2482人が本棚に入れています
本棚に追加
/675ページ
「んー、杏奈には会わせたくないかな」 『えっ?なんで…』 「それなりにはイチャイチャするつもりだから」 風花の語尾に被せて即答すると、風花が言葉を詰まらせた。 あぁ、きっと真っ赤なんだなと簡単に想像が出来る。 出来るから会いたい。出来るから見たい。 「それでもいい?」 『……わっ。 そ、それ聞きますか…』 「うん」 返事だけでどうかしてるほど甘ったるい声が出た。 イヤだな、こんな俺は誰にも見せたくない。って本当にそう思うのに、何故か風花にだけは見て欲しい。 いや、そういう俺も受け入れて欲しいっていう方が正しいかもしれない。 『――い、良い…、です、よ』 「へぇ、許可しちゃうんだ?」 『し、します……っ!』 「うん、じゃあ思う存分俺が好きなようにするね」 『いやっ、あのっ、て、手加減お願いしますっ!』 「大丈夫、ちゃんと可愛いがってあげる」 『………っ!!』 ていうか、あんたを前にして可愛がらないなんて、そんな選択肢俺にはないんだけど。 だけど俺の彼女は、若干天然入ってるからそんなこと気づいちゃいないんだ。
/675ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2482人が本棚に入れています
本棚に追加