番外編01

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会いたいよ。俺だって。 声だって聞きたい。 放課後家に来る?なんてそれにこじつけた理由でしかない。 本当は家じゃなくたってどこだっていいんだ。 学校でも、公園でも、デパートでも、何もないただの遊歩道だって構わない。 何かするなら風花とがいいし、誰かに会うなら風花が良い。 だけど俺は風花みたいに素直になれないから、そんなこと口に出せない。 言えないけど、本当はきっと風花が思ってるよりもずっと風花が欲しい。 身体とかだけじゃない、もうなんか存在そのものを手に入れたい。 「……」 『……そ、そろそろ切りますか……?』 「んー…」 俺と風花の間に沈黙が落ちる。 夜の闇のように静かで、でも寒くはなくて温かい。 「……まだ」 『え?』 「もうちょっと、このままにしとく……」 『……はい』 もう少し。もう少しだけでいいから風花の時間を俺が持っていたい。 こんな携帯だけで繋がる、小さな時間でも。 ソファに身体を預けて、全神経を何も音のしない携帯電話に注いで。 そして、ふっと思い出すのはメールで繋がっていたあの頃だった。
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