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関東大震災の影響もひとしお、誰しもが気を張りながらもたまに気を抜き、決して焦らずにのんびりと復興を進めていっていた。
そんな中で娯楽として落語を聞きに来るのは至極当たり前の話で、少ない人数ながらも寄席は潤っていた。
江戸から200年以上磨かれた伝統は、こんな時勢でも好かれ求められていた。ぼくは小さいながらもそんな人たちに貢献できているだろうと思うとたまらなく嬉しかった。
まさか数年後に戦争が始まるなんて考えもしなかった。
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