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翌日の朝、息子は私を私自身の仏壇に置き、ずっと自慢話を続けた。聞けばただの子供らしい自慢だ。しかし、私はその子供らしい自慢となる元なのだ。あっさりと捕まり、夏休み始まってそうそう観察されたのだ。私は息子の話に相槌を打つかのように鳴き続けた。もう、私の寿命がくる。私は、よく聞こえるその声を、聞き逃さないよう、しっかりと聞いていた。
夜だ。時刻23時57分である。私は仏壇の前にいた。私自身の遺影を見た時、正直もっとかっこいいものを選んでくれと思った。
子供達はもう眠りに就いている。妻はそろそろ小学生に上がる娘のため、色々と準備をやっていた。
私は妻に最期の言葉を掛ける。結婚していらい、言えずに死んでしまった言葉を。
「ありがとう、愛しているよ。今も昔も、変わらず」
時計が新たな日を知らせる音を立てる。懐かしい、私の好きな曲にオルゴール音だ。私は静かに動かなくなる。そして、私の七日間の儚く、確かな命が終わった。
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