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和人「202・・202・・・ここかな。」
看護師さんに道を聞きながら何とか病室へたどり着くことができた。
病室の前に立ち、名札を見てみると、「重木 奏」と書いてあった。
和人「おもき、かなで?」
???「かさなぎ、かなでです。」
和人「へ~、・・え?」
俺はすぐさま声のした方を向くと、そこには一人の少女が立っていた。
和人「えっと、もしかして、君がここの病室の子?」
少女はこくっと頷く。
俺は、少しの間、少女を見つめていた。
別に変な意味があるわけじゃない、ただ少女の顔に巻いてある包帯が気になったからだ。
和人「えっと、十輪 和人って言います。」
奏「もしかして、雫先生の息子さんですか?」
和人「あぁ、そうだよ。」
奏「すいません、自己紹介が遅れました。私は重木 奏(かさなぎ かなで)っていいます。年は17歳です。」
和人「えっと、俺も17歳です。」
奏「えへ、一緒だね。」
奏はにこっと笑った。
あまりに不意打ちすぎたので少しよろけてしまった。
奏「立って話すのもなんだし、入ってよ十輪くん。」
和人「くん付けはやめてくれ同じ歳なんだし、和人でいいよ。」
奏「そう?じゃあ、私のことも奏でいいよ。」
和人「いや、それはちょっと、抵抗が、あるかな。」
奏「なんで?同じ歳だし、いいでしょ?」
奏は意地悪そうに笑った。
和人「お前、意外と意地悪なのな。」
奏「そうでもないよ。」
そういってまた奏はにこっと笑った。
これが俺と奏の初めての出会いである。
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