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病室に入ると、そこには一つのベットと丸椅子があるだけだ。
他にあるものといったらタンスと花瓶に刺さった花だけ。
奏「何もなくてごめんね。」
和人「しょうがないさ、病院だしな。」
奏は慣れたように病室を歩き、ベットにちょこんと座った。
そして、
奏「はい、どうぞ。」
そういって、横にずれて俺の分のスペースをあけた。
和人「す、座っていいの?」
奏「別にいいよ、さぁ。」
和人「じゃ、じゃあ失礼して。」
奏の隣に座る。
奏「あ、遅くなったけど明日から一緒に暮らすんだよね?」
和人「あぁ、そうらしいな。俺も今日知ったところ。」
奏「そうなんだ、雫さんらしいね。」
和人「母さんとはいつから知り合い?」
奏「雫さんと私のお母さんが同級生でね、病院でよくお世話になってたの。
私、体が弱くて入院とかもしょっちゅうだったから。 」
和人「そうなのか。」
和人「あのさ、奏。」
奏「何?」
和人「その包帯のこと聴いていいかな?」
実際怒られるかなと思った。しかし、奏はフフっと笑っただけで俺の質問に答えてくれた。
奏「えっと、話が長くなったらごめんね、私って昔から目も悪くてね、ほとんど何も見えない状態で過ごして来たんだ。体のこともあって学校にもあんまりいったことないし、家からもあんまり出たことがないんだ。」
和人「何か、ごめん、へんなこと聞いて。」
奏「ううん、大丈夫、和人ってやさしいね。」
和人「そんなことねぇよ。」
奏「でね、話に戻るけど、もしかしたら視力が戻るかもしれない手術があってそれの手術を一昨日受けたんだ 。」
和人「戻るかもしれないんだな、良かったじゃん。」
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