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それプラスに植木と小さな花が腕にかかっている袋から見えるのだから相当の量を買い占めたようだ。
一人でそんなに買ってどうするんだ!
子供が騒ぐのもわかる気がする。たしかにある意味で変な人だ。
「大丈夫でしたか?」
「あ、ああ。大丈夫」
思わずその花の量に凝視してしまったらしい。
少年に聞かれジュイスは花から少年へと視線を向けた。
その少年もなんと言っていいのか…。
はっきり言ってしまえばひょろっこいのだ。
力仕事とは無関係なひょろっこさ。
案の定、大荷物だからかすれ違う人とぶつかりすみません!なんて謝りながらひょこひょこ歩いていく少年。
これじゃ家に着く前に何にぶつかるかわかったものじゃない。
仕事を増やされるのは嫌だし、そもそも職業柄、見過ごすわけにもいかないし……。
「ちょっと!」
「はい?」
ジュイスの声に少年は振り返った。
****
「いやすみません。女の人に持ってもらうとか。情けないですね」
あははなんて笑う少年の隣をジュイスは歩く。
花束は自分で持ちたいと少年が譲らなかったため、ジュイスの手にはさっき少年が買った袋のほうを持っている。
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