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辿り着いた場所は、店の最深部、空気の重さを直に肌で感じる。
「はわ~すっごいですね~色んなお洋服が飾ってあります~」
きっとこの言葉に意味なんか無いんだろうな、何か喋らないと自分を保てないそんな気がするんだ。
「小生もいつもこの品揃えを見ては感激の涙を流すお・・。」
横にいるオタクが鼻声でそう言う、確かに泣いてやがる、日本も末期なのかも知れないな。
「泣かないで下さいよぅ~今日は私がとびっきり可愛いカッコしますから!」
わかってる、俺は負けれない一回ならと思ったけど、これは俺のための戦いだ。
「うぅ・・グスっみーたんマジ天使だお!ならば小生も全力でみーたんをモモ化させてやるお!」
そう言うなりオタクは店員に向かって走り出す。
「あそこにいる天使にモモカスペシャルコスプレセットアタッチメントフル装備をお願いしたいお!」
よくわからないがオタクが店員に何かを頼んでいる、よかった何とかなりそうだ、レシート回収するのも忘れないようにしないとな。
「みーたんは運がいいお!なんと最後のワンセットだったそうだお」
運が悪いの間違いだろうな。
「それでお値段はおいくらなんですか??」
値段=俺の戦闘力になる
「ん?たった21万だお!そんなん気にしてどうするんだお?」
21万!?金銭感覚がおかしいんじゃねえのか?
「いえ、あの、そのレシート頂けたらなぁ・・なんて。」
値段の高さに多少ビビりながら本題に入る。
「レシートぉ?そんなもん何に使うんだお?」
怪訝そうな顔でそう聞いてくる、まぁ当然の疑問だろうな、はぁ・・あんま言いたくないけど仕方ないよな。
「そのぉ・・いつまでも忘れないように・・えと、またここに来て遊びたいから・・ダ、ダメですか?」
言質取られるからまた来たい、また会いたいの類の言葉は言いたくはなかったんだが、これしか手がないもんな・・。
「今のはキュンと来たお・・いいおレシートでいいならくれてやるお!」
そう言うと尻のポケットからクシャクシャになったレシートを取り出す。そこには確かに21万の金額が明記されていた。
「ありがとうございます♪これで絶対忘れない思い出になりました!」
素直に感謝するぜ、これでまず負けないハズだ。
「ぐふふ、実は下心がある小生としてはこれくらいお安い御用だお」
「え・・?」
俺は心の底から震え上がった、まだ着替えすらおえていない、その上まだ何かあるだと!?
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