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ドロシー「はぁ…嫌な天気……」
窓の外をちらりと見やる。
外はまだ差ほど雨は強くないが空は暗く、風が轟々と唸っているのがよく聞こえた。
ドロシー「…あ、トト!
早く家に入れてあげなくちゃ!」
ーートトとはドロシーが3年前の大雨の日に拾ってきた生後間もなかった仔犬(勿論3年も前の話なので今は立派な成犬である)の事だ。ーー
ドロシーは裏口から外に出て物置小屋の方へ駆け寄る。
すると中から白と黒模様のボーダーコリーがちぎれるんじゃないか心配になるほど尻尾を振ってドロシーに飛びついてきた。
ドロシーはそれを手慣れた具合で体をずらしていなす。
ドロシー「はいはい、いつもみたいに飛びつきたいのは分かるけど、ちゃんと身体洗ってからじゃないと服が汚れちゃうからダメよ」
そういうと犬の首輪を掴んで家の中へと引きずっていく。
その最中もトトがドロシーの脚に頬や脇腹を擦り寄せてくるので彼女の膝辺りはびしょ濡れである。
ドロシー「もぅ…私まで着替えなきゃならなくなっちゃったじゃない」
ドロシーはトトの顔を見やるが彼はそんなことはお構い無しに彼女の脚へ顔を押し付けている。
ドロシー「……はぁ」
ドロシーたちは家に上がるとトトを待たせ、ドアのノブに予め引っ掛けておいたタオルでトトの身体と足の裏を軽く拭いてやる。
だが、雨の中をはしゃぎ回ったのかタオルで拭いても身体中がやや汚い。
ドロシー「しょうがないか私も濡れちゃったし…
ほらトト、お風呂入って綺麗にするよ」
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