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「ではどうしたらいいか? と考えた時に生み出されたのがこのオートリレーです。これは、腕時計を外して、つまり、腕時計が振られない、充電されない状態ですね、その状態で一日放置すると動きを止める様になっています」 「それじゃあ、一緒じゃ無いですか? 使おうとするときに時刻を合わせないといけない」 「ところが、このオートリレーは針は止まっても、内部的には時を刻んでいるんですよ。表面上は動いていない。でも次に時計を振ると、現在時刻まで復帰する様になっています。私も確認したわけでは無いのですが、カタログ上では、四年間は覚えているそうですよ」 「四年間ですか」  石榴刑事が感心したように頷く。 「そこでこの写真ですが」  店長はそう言うと、二葉の写真を机の上に並べる。 「こちらの写真では、秒針が三十秒あたりを差しているのに対し」  そう言って、腕時計を接写した写真を指さす。次に、引いて撮った写真を示し、 「こちらの秒針は十秒あたりを差している」  連続で写真を撮ったためだろう、時刻自体の違いは約二十秒とわずかだったが、秒針が差している位置は確かに違っていた。 「今回の事件、被害者は死亡してから三日ほど経過していると言うことでした。が、この腕時計は一日以内に動かされたことを示しています」  店長の出した結論に、大野刑事と石榴刑事は顔を見合わせていた。
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