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「ええ。そうですね。この事から、裏蓋を開けたのは犯人だと考えられます。松井が最後に開けたのであれば、ここにまだ残っているはずですから」
「何がですか?」
大野刑事の問いに、店長は、
「マイクロSDです」と応える。
「マイクロSD?」
「ええ。マイクロSDは幅が十一ミリ、長さが十五ミリ、そして、厚さはわずか一ミリです。この空間に十分入るでしょう」
そう言われて腕時計の裏蓋を見るが、その長さがどれくらいなのか、私には検討が付かなかったため、はあ、と間の抜けた返事しできない。
「試してみましょうか?」
あまり感動を得られなかったことに気がついた店長はそう言うと携帯電話を取りだし、裏蓋を開けると、そこからマイクロSDを抜き取った。そして、それを裏蓋の中に入れると、かなりの余裕を持ってそこに収まった。
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