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「どういう事です?」
店長はカップをソーサーに置くと、
「よくあるじゃないですか。被害者の指に犯人の皮膚が残っている、あれですよ」
店長はそう言うと私に視線を向ける。
「確かに、サスペンスドラマなんかではよくありますね。被害者の爪から皮膚が検出される、ああいうことって、本当にあるんですか?」
「もちろん、有りますよ」
大野刑事が頷く。首を絞められている間、抵抗しようとして犯人の腕をつかむ、その時に爪が立てられ、引っ掻き傷を付けると言うことはよくあるのだという。
「つまり、こういう事ですか。犯人は、被害者に引っ掻かれたことに後になって気がついた。このままでは被害者の爪から自分の皮膚が検出されてしまう。だから、指を硫酸で焼いてしまい、自分の皮膚が検出されないようにした」
石榴刑事が店長の言葉をまとめる。
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