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彼女はそう言うと、手提げ鞄から手帳を取り出し、さらさらと何事かを記入する。
「こちら、私の家の電話番号となりますので、気が向いたらどうぞこちらにご連絡ください。別の者が出るかもしれませんが、あなた様の名前を言っていただければ、私に通るようにしておきますので。あら、わたくしったら、あなた様のお名前をまだお聞きしていませんでしたわ」
一方的にまくし立てるうちに、まだ名前を聞いていないことに気がついた彼女は、左手で頭を抱えるようにした後、店長に名前を尋ねた。そして店長の名前を聞き出した彼女は、
「もちろん、お礼もさせていただきますから」
そんな言葉を残し、嵐のように去って行った。
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