465人が本棚に入れています
本棚に追加
「たとえば、店の乗っ取りとか」
「そんな、考えすぎですよ」
私はついにこらえきれず声を挙げて笑ってしまう。
「だって、何か考えが有ってのことだとしたら、そんな手の込んだことをしなくても、足助の力を使えば何でもできますよ」
足助家はこのあたりでそれだけの力を持っているのだ。お金、権力、地位、名誉、そのすべてを持っていると言っても過言では無い、そんな家が、こんな小さな店に対して、よからぬ事を行うために、そんな手間を掛ける道理など無い、私にはそう思えて仕方なかった。もし、何か考えがあるとすれば、それは、店に対してでは無い、そんな気すらしていた。
最初のコメントを投稿しよう!