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「足助さん、少し休憩をしませんか?」
絵を描き始めてから二時間ほど後、店長が声を掛けるまで、手毬は一心不乱に絵を描き続けていた。
「我々も疲れてしまって」
店長がそう言うと、手毬は恥ずかしそうに頬を染め、
「これは気づきませんでした。すみません」と謝罪する。
「いえいえ、随分と集中していましたね。お茶でもいかがですか?」
店長の誘いに手毬は、はい、と大きく頷いた。その返事に店長は相好を崩し、店の中に入っていく。私と手毬も店長に続いて店の中に移動すると、店長が紅茶の準備を始めていた。
「もう、三時ですからね」
店長の言葉に手毬は初めて時間に気がついたように目を見開き、
「もうそんなに?」と、驚きの言葉を口にする。
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