プロローグ

2/3
465人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
 丸眼鏡の奥で目を細め、手に持った黒縁の眼鏡をためつすがめつ眺めながら、 「この眼鏡の持ち主は、普段バイクに乗っていますね。それも結構大型のバイクだと思います。あと、最近かなり太ったと思いますよ。それは無くても顔はちょっと大きめですね。それと、左利きでしょう」と、店長が言った。  私はなぜ店長がそんなことを言うのか不思議で仕方が無かった。彼の目の前にいる二人組の男性も同じらしく、きょとんとした表情を浮かべている。 「いえ、我々はこの眼鏡をおたくで売った事があるかどうかを聞きたかったのですが」
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!