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『旧家の敷地内にある小屋で謎の刺殺体  十月十三日の午後八時頃、足助家の敷地内にある小屋で市内にある貴金属店勤務の松井祥子さん(二十四)が倒れているのが発見された。  発見したのは足助家に来ていた黒沢篤志。彼は婚約者である足助手毬を探していて偶然、小屋の中で倒れている松井さんを発見した。黒沢さんはすぐに一一九番通報をしたが、救急が到着した時にはすでに松井さんは亡くなっていた。  松井さんの死因は背中を刺された事による失血死とみられ、刺されてからしばらくは息が合ったとみられているが、発見されたときにはすでに死後数時間が経過していた。  松井さんはその日の昼、足助手毬さんに招かれ、昼食を共にした後、午後ニ時頃帰宅する所を足助房江さんに目撃されており、なぜ小屋の中にいたのかは不明。また、発見時松井さんが着ていた服は足助手毬さんの物である事が分かっており、現在、足助手毬さんを重要参考人として探している』云々  ―――ある地方新聞の記事より
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