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 向智貴金属店で働くようになってから早くも一週間が経っていた。その間、客らしい客は一組だけ、それも、入り口の立て付けを直すためにやってきた工務店の作業員、つまり、来客ではあるが、実際の客は私たちの方ということになる。  それでも、入り口の修理も終わり、見栄えも整え、やっと、店らしくなってきた、と思った矢先に、なんとなく見覚えのある二人組が店にやってきた。 「おや?」  扉を引きながら、若い男性が驚きの声を上げる。 「修理をしたんですよ」  私がにこやかに、(営業スマイルだ)応える。
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